三面等価の原則とは? GDPとの関係【初心者でもわかる経済学】

経営・経済

時々、経済の話の中で「三面等価の原則」という聞き馴染みのない言葉が使われていますね。
「三面等価の原則」がわかるようになると、GDPとの関係に繋がり、さらに経済を理解できるようになると思います。

Kazu
Kazu

僕が経済学を勉強し始めたときは、知らない専門用語が多くて説明文をまったく理解できない状態が長く続きました。
今回はそんな悩みを解決できればと、わかりやすく具体的に説明していきます!

それでは一体、「三面等価の原則」とは何なのでしょうか?

国がすべての統計データを持っているわけではないので、国はGDPを推計値を使って計算しています。
推計値なので、経済的に見ると大きなズレではありませんが、 1兆円〜2兆円のずれが生じてしまうことがあります。
そのズレを防ぐのが「三面等価の原則」の役割になっています。

それでは、「三面等価の原則」が具体的に何を表し、どういった役割を果たしてくれているのでしょうか?

それらをよりわかりやすく理解するために、まず、日本のGDP (国内総生産)を見てみましょう。

2019年のGDP (国内総生産)は、553.8兆円。

出典:https://jp.gdfreak.com/public/detail/jp010010001010100001/1

日本のGDP(2019年統計データ)は、553.8兆円と報じられています。それがどう「三面等価の原則」に繫がっていくのでしょう。
GDPが何かを理解していると、「三面等価の原則」をより素早く簡単に理解することができます。

GDP (国内総生産)とは、簡単に説明すると、一定期間に国内で生産された付加価値の合計となります。

GDP (国内総生産)を詳しく知りたい方はこちらからご覧いただけます。

<GDP(国内総生産)をわかりやすく解説!【初心者でもわかる経済学】>

「三面等価の原則」とは

「三面等価の原則」とは、その名の通り、3つの面から成り立っている原則です。

一国の経済において、生産(付加価値)、分配(所得)、支出(需要)の3つの側面でみた額が、一定期間が経過した後(事後的)には等しくなることを指す、マクロ経済学上の原則のこと。

出典:https://www.nomura.co.jp/terms/japan/sa/A02416.html

簡単に省略すると、生産面(付加価値)から見ても、支出面(需要)から見ても、分配面(所得)から見ても、GDP(国内総生産)は等しくなるということです。

詳しく1つ1つを説明します!

生産面(付加価値)

「生産面」とは、その国のGDP (国内総生産)のことです。

国内で生産された付加価値の合計ということになります。

日本の場合、約550兆円(2019年統計データ)ということです。

支出面(需要)

支出面のGDPと言うこともあります。

日本のGDPが約550兆円ということは、日本で生産した付加価値の合計が550兆円だったことになりますね。

ということは、この「生産した付加価値の合計=約550兆円」のモノを誰かが買っていることになります。

つまり、それが支出面のGDPということです。

分配面(所得)

分配面のGDPと言うこともあります。

モノを生産しているということは、人件費などの費用が掛かりますね。

実際に、日本のGDPは約550兆円(2019年統計データ)だったので、国内で生産された付加価値の合計は約550兆円になります。

GDP(付加価値の合計)の約550兆円は、生産するのあたって生じた従業員への給料や政府への税金として国内で分配されます。

つまり、それが分配面のGDPということです。

国内で分配されて、国内の所得を合計したら、支出面のGDPが等しくなると考えられます。

ポイント生産面 = 支出面 = 分配面

統計上、この3つの視点が等しくなり、推計値が正しい数字か、不正はないのかをチェックの役割を果たしているのが「三面等価の原則」となります。

生産面のGDPと支出面のGDPが等しくなる理由

ここで問題になるのが生産によって生まれた売れ残りです。
しかし、GDPは、一定期間に国内で生産された付加価値の合計でしたね。

ということは、生産したモノは、企業が支出したことになり、在庫変動として支出面のGDPに計算されます。

なるほど!これで等しくなる理由がわかった!

「三面等価の原則」が何かわかったら、具体的な役割を考えてみましょう。

「三面等価の原則」の具体的な役割

国はすべての統計データを持っているわけではないので、GDPは推計値を使って計算しています。
しかし、もし推計値が間違っていた場合には、数字がズレてしまいます。

推計値が必ずしも正しい数字とは言えないからです。

そこで、もしどこか数字のズレが生じていても、3つのデータがあるとどこが間違えているのか、見極めることが可能になります。2つのデータでは、もしズレが生じても、どちらが間違っているという判断をするには難しく、不十分ですよね。

それを防ぐためにあるのが「三面等価の原則」ということです!

まとめ

三面等価の原則では、生産面(付加価値)と支出面(需要)、分配面(所得)は等しくなることがわかりました。

しかし、注意点としては、統計上の原則なので、生産面(付加価値)と支出面(需要)が等しいということですが、決して売れ残りがないという意味ではないということでしたね。

それらをしっかりと理解できていれば、1歩前進ですね!

今回は「三面等価の原則」についてでした。

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