「GDPって何なのか詳しく簡単に初心者でもわかるように教えてほしい」
「最近、ニュースを見ていて、GDPをよく見かけるが何のことを言っているかよくわからない」
今回はこんなお悩みを解決します。
✔︎本記事の内容
- GDP (国内総生産)とは何か詳しく簡単にわかる
- 初心者の方でも簡単にわかるように専門用語も解説
- 『世界のGDPから見た日本』&『世界各国の1人あたりのGDP』からわかることを徹底解説!
常日頃、ニュースでGDP(国内総生産)という言葉を目にしたり、聞くことがよくあります。
ということは、経済においてGDP(国内総生産)が大事な要素であることですね。
なぜよく聞くかというと、経済の規模を測るときに最も使われるからです。
それでは一体、GDP(国内総生産)とは何のでしょうか?
今回はそんなお悩みを解決できるように、初心者の方でも簡単にわかるようにGDPについて詳しくご紹介します。
GDP (国内総生産)とは
GDPとは、Gross Domestic Productという英語の略になります。
GDPとは…
一定期間内に国内で産み出された付加価値の総額のことである。
出典:https://ja.m.wikipedia.org/wiki/国内総生産
もっとわかりやすく簡単に解釈すると、一定期間に国内で生産された付加価値の合計となります。
んー、何となくはわかった気がする…
GDPは、一定期間に国内で生産された付加価値の合計なのですが、これだけで「そういうことか!」としっかり理解するのは難しいと思います。
専門用語を解説しながら、『一定期間に国内で生産された付加価値の合計』というニュアンスをわかりやすく具体的に説明していきます。
これら4つの意味がわかるとGDPとは何か完全にわかるようになります。
「一定期間」とはどのくらい?
GDP (国内総生産)= 一定期間に国内で生産された付加価値の合計
『GDP (国内総生産)= 一定期間に国内で生産された付加価値の合計』ということでしたが、この「一定期間」とは具体的にどのくらいを示しているのでしょうか?
通常は、1年間で計算します。
暦年と言えば、1月〜12月に計算したデータで、年度と言えば、4月〜3月に計算したデータということです。
- 暦年:1月〜12月
- 年度:4月〜3月
✔︎3ヶ月毎に計算する場合もある
- 第1四半期(4月〜6月)
- 第2四半期(7月〜9月)
- 第3四半期(10月〜12月)
- 第4四半期(1〜3月)
GDPのデータを見るときは『1年間』か『3ヶ月』のものであるかチャックしましょう。
四半期を英語ではクオーターといい、グラフでQと記されていることもあるので、覚えておくと役立つと思います。
「国内で」が意味すること
GDP (国内総生産)とは、その名の通り、国内で行われいる総生産のことを言っています。
それでは具体的に「国内で」が意味することとは何でしょうか?
✔︎外国人であっても日本国内で生産したものであれば計上される
「国内で」が意味することは外国人であっても日本で生産されたものに関しては、日本のGDPに計上されます。
逆に日本人の生産であっても、日本国外で生産した場合は、日本のGDPには計上されません。
それがGDPの意味する「国内で」ということになります。
「生産された」の意味
次に、GDP (国内総生産)における「生産された」とは何のことを示しているのでしょう。
GDPに計上されないものを覚えておくとわかりやすいです。
計上されないものは具体的に以下の3つになります。
✔︎株価などの資産価格の値上がり益は計上されない
株価が5倍になって利益が出ても、それはGDPには計上されないということです。
✔︎中古品は計上されない
中古品はその年に生産されたものではないので、計上されません。
例え、その年に生産されたものであっても、生産時に計上されているため、中古品は計上されません。
✔︎土地の売買は計上されない
土地は元々あるもので、その年に生産されたものではないですよね。そのため、計上はされません。
「付加価値の合計」とは
まず初めに「付加価値」とは何でしょう。
「付加価値」が何なのか理解することができなければ、GDP (国内総生産)を理解することはできません。
『付加価値』とは何かしっかり理解することがGDPの理解に近づきます。重要なので、しっかり覚えましょう。
「付加価値」とは…
生産によって新たに加えられた価値。総生産額から原材料費・燃料費・減価償却費などを差し引いた額。
出典:https://ja.m.wikipedia.org/wiki/付加価値
簡単に解釈すると、何かを生産するときに掛かった費用を売り上げに引いたものが付加価値と言います。
つまり、売り上げ ー 費用 = 付加価値ということです。
イメージしにくいから、具体的な例を教えてほしい。
イメージがわかない方もいるかと思うので、「付加価値」を具体例からわかりやすく説明します。
✔︎簡単な具体例(パン屋さん)
日本にあるパン屋さんが100円のパンを1個生産したとします。
パンを作るには、小麦粉やバター、お水が必要ですよね。それら材料を30円で集めたとします。
合計 → 100円(パン) + 30円(小麦粉、バター、水) = 130円
1個100円を生産したのに対し、130円となってしまい、小麦粉、バター、水の材料費を二重計算してしまったことになります。
パン屋さんは100円のパンを生産しましたが、材料費の30円は別のお店で生産されたものなので、材料費の30円はパン屋さんが生産したものではありません。
ということは、
パン屋さんの生産した価値(付加価値)= 100円(売り上げ)- 30円(材料費)= 70円
この場合、パン屋さんが生産した70円の価値が『付加価値』ということになります。
そして、付加価値を従業員と株主で分けるというのがパン屋さんの構造になります。
GDP (国内総生産)の「付加価値の合計」が何を意味するのかイメージができたと思います。
生産するときに掛かった費用を売り上げに引いたものです。
これらを理解することで、GDP (国内総生産)は、一定期間に国内で生産された付加価値の合計であることがわかりましたね!
GDP (国内総生産)は固定資本減耗を含んでいない
GDP (国内総生産)を計算する上で注意点があります。
「固定資本減耗」の意味を知っていたら逆に凄いというくらい普段聞き馴染みがない言葉です。
経済学ならではの専門用語ですね。
固定資本減耗とは、生産によって機械などの性能が落ちて価値が下がることです。
馴染みのない言葉を言葉で説明されてもわかりにくいと思うので、具体例で見ていきましょう。
具体例でわかりやすく説明します。
例えば、パソコンを仕事で使い続けたら、重くなってしまったりと購入時の状態を保てませんよね。
そのことを固定資本減耗と言います。
しかし、それで生産性が落ちてしまっても、実際それによって何円分の生産が落ちてるのかはわかりません。
それを理由に、固定資本減耗は不正確なデータなので、引かずにGDPは計算されています。
GDPの問題点
GDPは市場価格が原則なので、自然環境の悪化などが考慮されていません。
国内総生産を表した数字なので、生産する上で燃料を使用して多量に排気ガスを排出してもGDPでは測ることができません。
他には、企業の生産量を上げたいという思いから、労働者の労働時間が増えてしまったり、人間関係の悪化などは考慮できません。
これらがGDPの問題点とされ、数十年以上も前から世界中が問題視しています。
世界のGDPから見た日本
順位 | 国名 | 単位:百万US$ |
1 | アメリカ | 21,433,225 |
2 | 中国 | 14,731,806 |
3 | 日本 | 5,079,916 |
4 | ドイツ | 3,861,550 |
5 | インド | 2,868,930 |
6 | イギリス | 2,830,764 |
7 | フランス | 2,715,818 |
8 | イタリア | 2,715,818 |
9 | ブラジル | 1,839,077 |
10 | カナダ | 1,736,426 |
日本は世界3位のGDPを誇ります。(2019年統計データ)
GDPというのは、国全体の生産量になることから、人口が多ければ自然の数字は大きくなります。
国の豊かさを見るには、人口で割った一人当たりのGDPを見ばければいけません。人口が多ければ多いほどGDPが高くなることから、GDPが高いからと国全体が豊かであるとは限らないということです。
世界各国の1人あたりのGDP
順位 | 国名 | 単位:US$ |
1 | ルクセンブルク | 115,839 |
2 | スイス | 82,484 |
3 | アイルランド | 80,504 |
4 | マカオ | 79,251 |
5 | ノルウェー | 75,294 |
6 | アイスランド | 67,857 |
7 | アメリカ | 65,254 |
8 | シンガポール | 65,234 |
9 | カタール | 62,919 |
10 | デンマーク | 59,770 |
… | … | … |
25 | 日本 | 40,256 |
… | … | … |
69 | 中国 | 10,522 |
各国の1人あたりのGDPを見ることで国々の内部が見えてきます。
国のGDPが高いからというだけではその国が豊かであるとは言えないことを物語っていますね。
各国の1人あたりのGDPでは、国々の平均値や成長率が見えてきます。
北ヨーロッパは1人あたりのGDPが非常に高いことでも有名ですが、小さい国の場合、国際関係で先進国にあまり大きな影響を与えないことからニュースになりにくいです。
実際にGDPからどういったことがわかるのか?
GDPは、世界中の国々で経済の規模を測るときに最も使われています。
「景気が良い」=「経済状態が良い」という概念があるように、各国の景気を見ることができます。
景気とは何か具体的に知りたい方はご覧ください。GDPによって景気に変動が起こる仕組みがわかるようになります。
★『景気循環と経済成長とは何か? 違いを詳しく解説!【初心者でもわかる経済学】』
まとめ
今回はGDPとは何か詳しくご紹介しました。
結論、GDP (国内総生産)とは、一定期間に国内で生産された付加価値の合計ということです。
GDP (国内総生産)とは、一定期間に国内で生産された付加価値の合計である。
GDPを見ることで、すべてではありませんが、世界各国の景気を見ることができるということがわかりました。
これから、また日常で「GDP」という言葉を聞くことが多くあると思いますが、次回からはまた違った見方や捉え方ができるかもしれません。
これからの日本がどんな変化をしていくかを世界情勢から予測して最先端をいきましょう。
今回は以上になります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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