「財政のとは何か、詳しく役割を教えて欲しい」
今回はこんなお悩みを解決します。
✔︎本記事の内容
- 財政とは何か、具体的にどのような機能を果たしているのか詳しくわかる
- 自動的に経済を安定させるビルト・イン・スタビライザーについて学べる
財政を理解できると、経済の仕組みや政府の機能がわかり、税金の意味や機能を知るきっかけになります。
財政とはどのような機能を果たしているのでしょう。
それでは、「財政」について詳しく見ていきましょう。
「難しい専門用語もわかりやすく解説しています!」
財政とは?【3つの機能】
財政とは、国や地方の公共団体の収入と支出の計画のことです。
つまり、国や地方のお金の出入りの計画ですね。
財政には、以下の3つの機能があります。
①:資源配分機能
②:所得再分配機能
③:経済安定化機能
財政は主にこれらの役割を果たしています。
ひとつひとつ詳しく説明します。
①:資源配分機能
生産をする上で、資源をうまく配分できないときは、政府が入ってコントロールをします。
資源は限りがあるため、どれだけ生産し、大きな価値を作れるかがポイントなので、資源を最適に分配することが目的です。
労働、人材、機械、天然資源など
政府の資源配分機能の目的である資源を適切に分配することは、2つの具体例があります。
✔︎外部不経済
企業が周囲に悪い影響を与えている場合は税金を払わなければいけません。この税金をピグー税と言います。
例えば、ある企業の工業がモノを生産するために、公害を出していたら、それに対して、税金を払わなければいけないということです。
生産量に対して支払う税金なので、そうなると、企業の供給量は適切になりやすいのです。
✔︎外部経済
企業は周囲に悪い影響だけでなく、いい影響を与えることもあります。
例えば、ある企業がシンボルとなって、その地域に観光客が増えれば、経済のプラスにつながります。
この外部経済(いいこと)に対して、政府は企業に補助金を出すのです。
すると、生産量は増やせますし、供給量が最適になると理論的に示されています。
②:所得再分配機能
所得再分配機能とは、所得の分け方を政府が決めていることです。
日本には所得が多ければ多いほど、所得税率が高くなる累進課税制度があり、これがひとつの例です。
そして、この累進課税制度は国民の所得の差を小さくすることが政府の目的です。
所得が多い人は税率が高くなります。逆に所得が少ない人は税率が低くなる制度です。
多くの国に存在している制度として有名です。
「失業保険」や「生活保護」の支給も政府が行う所得再分配機能に入ります。
できる限り、国民の所得に差が生まれないように、政府が分け方を決めています。
③:経済安定化機能
景気は上がったり、下がったりと状況が変わるので、経済を安定させて、景気の変動を小さくすることです。
名前の通り、経済の安定ですね。
経済が安定すれば、国民所得やGDP(国内総生産)は増え続けるので、景気の変動が小さくなるからです。
GDP(国内総生産)を詳しく知りたい方は、『GDP(国内総生産)をわかりやすく解説!【初心者でもわかる経済学】』をご覧ください!
政府は自動的に経済を安定させる仕組みを作っています。
自動的に経済を安定させる仕組み【ビルト・イン・スタビライザー】
ビルト・イン・スタビライザーとは、直訳すると、自動安定化装置と言い、経済を自動的に安定させる仕組みのことです。
政府の収入である税制面では、累進税や所得税、法人税などから国民は政府にお金を支払います。
上記で説明しましたが、日本には所得が多ければ多いほど、所得税率が高くなる累進課税制度があるので、景気が良くなって、国民の所得が増えると、その分自然に支払う税金は増えてしまいます。
しかし、景気が悪くなったときには、国民の所得は減ってしまいます。そして、「累進課税制度」があるので、国民の支払う税金も減ります。
これによって、国民の所得に差が出ないように、経済が安定します。
国民所得は増えるが、国民に対しての増税につながってしまうことを、経済では、フィスカル・ドラックと言います。
まとめ
財政とは、国や地方のお金の出入りの計画であり、具体的には3つの機能がありましたね。
✔︎具体的な3つの機能
①:資源配分機能
②:所得再分配機能
③:経済安定化機能
財政は、これら3つの機能によって、存在しています。
そして、それぞれの機能を果たすべく、さまざまな取り組みがありましたが、経済を自動的に安定させる「ビルト・イン・スタビライザー」という仕組みがありました。
今回は以上になります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
コメント